最近は透き通った水晶(クリアー・クォーツ)を使い、ペンダントを作っています。「北極星が奏でる光の道しるべ」というようなコンセプトです。
もう10年くらい前になりますが、東京で知り合ったドイツ人のクリエイターがたまたまハンブルグの出身で、彼の奥さんがブラジルの水晶屋さんのお嬢さんという偶然の、ありがたい御縁がありました。
脳内構想だけで長年作っていなかったデザインの一つに、自然のままの水晶を使ったペンダントがありました。知人のお陰で、それが今はその理想的なペンダンの材料が比較的簡単に入手できるようになりました。
これもまた以前の話ですが…2008-2009年…私は北極星を意味するcynosura (キノスラ)というアクセサリーのシリーズをパリで作ったことがあります。いま作っているこの自然のままの水晶のペンダントは、私の中ではこの北極星シリーズの続きです。きらきらと透明な水晶を見ると、私はなぜか北極星を思い浮かべます。
「自然のまま」というのはアクセサリーにすると一長一短があり「世界に一つ=同じ形がリピートできない」ということで… 10個作ったら10個違う形の、まさに「十個十色」です。そして「自然のまま」な故に、野暮ったかったり、妙に(あるいは不要に)エソテリックになってしまうこともあります。私は北極星の光には「自然のまま」でもしゃきーん、シュンと静かにかっこよくあってほしいのです。
今はまた世の中の時代の流れのようなものが変わり、自分の居場所も変わり、それでもいろいろなものがまた受け入れられるような気がして、今はこの水晶の北極星ペンダントを作っています。
そう、色々な偶然が重なり時も熟して作っているこの自然のままの水晶と銀のペンダントは、私にとって「北極星が奏でる光の道しるべ」そのものなのです。