少し前、一度パリに戻りしばらくまた滞在していました。夏のパリに、です。
「戻った」と思えるくらい、私はパリになじんでいたのだなぁと思えるのは自分でも意外ですが、電車でパリに近づくにつれ、本当にそう思えました。
結局、私はパリが好きなのですが、なんだかわかりませんが「パリ」の街自体が、私のことを好きなように思います。きっと誰にでもそう思わせるところが、パリの魅力なのでしょう。
良いことがたくさんありました。楽しいこともです。パリの人達がこんなにも人懐こい人達だとは、住むまでわかりませんでした。パリだけなら本当に英語で事 足ります。逆に一昔前によく聞いた、パリで「フランス語しか話しません」などという人は、本当に仕事が限られてしまうのではないかと思えるくらい、英語だけで私は暮らせました。
それだけではありません。久しぶりにスイスからフランスに行ったら、フランス語がうまくなっているような錯覚をするのは、本当におかしなものです(実際に錯覚なのですけど)。
そしてこの度は、今までずっと夢見ていた自分の中の偉業を成し遂げました。エッフェル塔に昇ったのです、徒歩で。
かなり暑い日だったのですが、いつかエッフェル塔に歩いて昇ろうと思っていたのがやっと実現しました。
そして、なんだかとても好きだった5区にある Café du Métro、今回もちゃんと通いました。無限にあるパリのカフェの中で、ここが一番、私は好きです。自分の中ではとても懐かしい場所で、地図を見るだけで涙が出そうです(そのくせにカフェの名前は今回覚えました。ずっと「角にあるあのカフェ」と心の中で呼んでいたので…)。場所はこちらです。
でもあと一つ、まだ叶っていないことがあります。それはりんごのタルトを食べることです。りんごのタルトは、私がとてもお世話になっているバイヤーさんのお勧めです。以前パリに住まれていらっしゃったので、いつも色々教えてくださり、本当にお世話になりっぱなしですが、そんな私と友人のようにお付き合いくださるその方のお勧めのタルトです。あの方は、一緒にりんごのタルトを食べる約束を覚えていらっしゃるかな。
私はその方とパリを散策してそのタルトを食べることを夢見て、未だ食べていません。
このようにパリに「戻る」と感慨深いものがありますが、これからもパリとの関係は続くと思います。不思議な場所です。