🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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ハヤシライスは日本食

by Jade

なんの自慢にもならないのですが、私は日本の食べ物が一切恋しいと思うことなく、どこでも住めます。基本自炊なのでどこの国でも住んでいけます。

良くも悪くも日本食だけで育ったわけではないこと、母には「『お母さんの料理が恋しい子』にならないように」というモットーがあったお陰だと思います(ただ料理が不得手だったとも言えます)。
お陰様で食べ物の好き嫌いなく、どこでも暮らしています。学生のころから自炊なので、自分で作る好きな物が一番おいしいと本気で思っています。そういえばさらに昔は調理などを履修していました。

が、困ったこともたまにあります。ご近所さんや知人宅へ食べ物や飲み物をそれぞれ持ち寄ってお邪魔する際、たまにですが「日本料理を持ってきてくれると嬉しい」とご要望をいただくことがあります。
そうしますと、不思議なことに日本のDNAがむくむくとわき上がり「え、作れないんだけど」とはなぜか私は正直に言えないのです。
本当にわけのわかなない無用なプライドです。

だって日本の食べ物と言ったって…日本でよく食べているものってこと?
よくわからないので、私はカレーかハヤシライス、あるいは焼きそばを作ってお持ちすることにしています。日本でも嫌いな人がいない料理、その上やはりおいしいですから。カレーはまぁインドが発祥の地ですので、それでハヤシになることが多いです。
そして、そのハヤシの上にアジアの食べる秘宝、しょうがを刻んで添えれば、立派な日本食です。
たいていの場合はそれで無難に難関を通過できるのですが、さらにたまーに妙にアジア通のような人から「え、それ日本料理?」と聞かれてしまうこともあります。
でもそこは正直に。「そうだよ」と答えるしかありません。
「ハヤシっていうの、森っていう意味だよ。」
わかったようなわからないような顔をされますが、仕方がありません。私もわかっていませんから。

「よかったら今度は日本のビーフシチューも作ってくるよ。私のおばあちゃんが得意だったやつ」と、いうのも私は言い忘れません。
「おばあちゃんが得意だった」というと、なぜかほぼ確実に「日本食」となりえるのです。
相手が欧州の方ですとそれで確実に超難関突破なのですが、日本の方ですと、なんか違うのが確実にばれてしまいます。

一般論でいえば、ハヤシはきっと日本食ではないのでしょう。私には大好きな日本の味ですけど。
たかが食事。されど食事。こんなことでアイデンティティーが試されるとは…「あれ、せっかくハヤシ作ったのにうちにお米がないや。代わりにパスタでいいかな?」←たぶんこれは一番だめだった私の失言。

簡単でおいしくて誰が見てもわかりやすく「日本食」な料理を、今度覚えなくては…と真剣に思っている春の始まりです。

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