🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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「夢を作る人」

by Jade

もう何年も前のことになってしまいますが、色々なイベントや展示会、ショーに出展させていたころは、初めてのことば多く本当にたくさんの失敗を繰り返し、毎日が試行錯誤の連続でした。

自分の思い描く世界をデザインする→考える→それを作る→販売する。と、超簡潔に言葉で表現するのは簡単ですが、建築に例えればピラミッドの如くシンプルそうでも複雑で、大河に例えればナイルの如くその過程の流れが私にとっては重厚で時間を要することでした。

要領の善し悪しをいえば、私はかなり悪いほうだと思います。自分なりに色々と考えているつもりでも、空回っていたのでしょう、でも今も空回っています。「ビジネス」「商売」をきちんとこなせる方々にとっては、私がとてもいらいらさせる存在なのも、自分自身でよくわかっていました。

でも世の中には本当に気長にお付き合いくださる方々がたくさんいらっしゃって、私はたくさんの方々に救われながら今まで歩んできました。そんな天使のような方々が私におっしゃってくださったいくつかの言葉は、忘れられずに心に残っています。

あせるとうまく計算ができなかったり、説明の言葉がすらすら出てこない私に
「ご実家がご商売人のご家族だったらもっとうまく立ち回れたかもしれないのにね」(私の実家は神社です)。
「でも私はアカルタマさんにはずっとそのまま夢を作る人でいてほしいな。」と。
そう言ってくださったバイヤーさんの言葉に、このときの安堵感、嬉しさを私はどんな言葉で表現することができるのでしょうか。

その方はその会社でも本当はとても偉い人で、それでもいつも私のようないわゆる「クリエイター」にも気軽に声をかけてくださり、心配の種を摘み取ってくださっていました。

私が作っているのはアクセサリーだけではないんだ。アクセサリーの形をした夢を作っていいんだ。と。
なべのフタを取るように、私の中にあったフタを取ってくださった言葉でした。

もうあれから何年も経って、私はもう日本にはいませんが、去年くらいから
「私はあなたの作る夢の世界がとても好きだ」と、ドイツやフランスで何度か言っていただくくことがありました。

今でも試行錯誤で制作していることには変わりありませんが、あの時の日本での経験やいただいた温かいお言葉の数々こそ、私にとって「光の道しるべ」だったのです。

私にできる恩返しのようなことといえば、思い描く夢の世界をアクセサリーを作ると共に奏でていくことだと改めて思う昨今です。

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