今回の展示会で多くの出展者から話を聞くことができ、大変勉強になりました。規模が大きいので、日本でも出している出展者さんもいるかなと探してみましたが、 東京であいさつ程度でも知っている人達は2社だけでした。
ミネラル(鉱物)と隕石で言えば、日本にも出展している業者さんはその2社も含め、5店もありま せん(化石はもっとあるかもしれませんが、私は化石のことは今は不勉強です、すみません)。
出展者で目に付くのはインドや中国の人達はもちろん、ブラジル、アメリカ合衆国、欧州はドイツ、スイス、オーストリアの人達です。その中でも、とても丁寧 に石を扱い「こんな石、日本でも出せばきっと欲しい人がたくさんいるだろうに。」と私が独断で思える出展者さんには、少し余分に話を聞いてみました。
詳細は省きますが日本では出展しないのかと聞くと、欧州と合衆国(ツーソン)で充分、というような答えがほとんど、日本に出展する意義を見出せないというものが圧倒的に多いです。
中には、機会があれば日本でも出展したいと望んでいる人達もいましたが、コンテナで運ぶ送料が高すぎる(ミュンヘンに出ている石は大きさにもバラエティが あります。大きな石というと家具くらい、食卓用の椅子や2人掛けのソファーくらいとか)という意見をはじめ、真剣に日本に出展を考えて調べるほどに、その コストが重く現実に圧し掛かるようです。
余談になりますが、昔私が建築の仕事をしていたときに、コンテナで欧州からものを運ぶコストには本当に頭を悩まされました。船でブツをコンテナに入れて輸 入しようにも、欧州から日本へ運ぶ船代よりも、日本について荷揚げするその手間代が一番高くつくのが、日本という国の不思議なところですから。何軒見積も りをとっても、大差ありません。まぁ考えてみれば、それももう10年以上も前の話ですから、今は変わっていることを私は望まずにはいられません…。
そこまで大きな石ではなくても、日本?行かなくてもいいよわざわざ、と端折られてしまうのは、悲しい気持ちになります。普通にあるサイズでも、日本でもかなり需要があるものが多いのに、本当に残念です。
その後、私には直接関係のない世界ではありますがこんなニュースまでうっかり読んでしまい、さらに寒い気持ちに追い討ちです。
そしてもう一つ、私にとって暗くなりそうな現実は、ドイツのイーダーオーバーシュタイン(イーダル)の石屋さんたちです。私の知人は出展していませんでし たが、イーダルの人達は、値段が現実離れしています。雲の上をお歩きになっていらっしゃるのでしょうか、心配になる値段がついています。中国やインドとは いいわずとも、他のドイツのミネラル屋さんや、アルプスの石を扱っている欧州の石屋さん方だってそんな値段つけないです、という値段です。私のイーダルの 知人は、本当に良心的なんだと安心はしましたが、2月のインホルゲンタでの楽しみが一つ増えた気がします。みなさんどうされているか…
考えさせられることも多いですが、そんな時代の流れですからどこで何をしても、楽なことはないということでしょうか。
何はともあれ、ミュンヘンのミネラルショーは大盛況、すばらしく楽しい展示会でした。自分が出展者ではないので、私はミュンヘン市内の観光にも行くことができました。