ドイツでロックダウンが始まる前、買っておいたもので今でも自分史上最高に気に入っているワイングラスがあります。
本当は私はアルコールはほとんど摂取しませんが、稀にワインだけは好きなものに巡り会うこともあるので、近所のワイン屋さんにはたまに試飲会に行きます。
このワイン屋さんのソムリエのオーナーは、私が知る限りハンブルグで一番ワインについて詳しく(ハンブルグはドイツで2番目に大きな街です)休暇にはヨーロッパ中を駆け回りワインを仕入れてきます。
たとえば聴覚で「絶対音感」があるように、このオーナーの味覚と嗅覚はちょっと異次元なレベルで味の差を感知します。人間よりは動物に近いのかもしれません。
そのオーナーがいつも使っているのがプジョーのワイングラスです。
本来はワインの葡萄農家の方やソムリエが使うテイスティング用のワイングラスですが、ロックダウンでせっかくずっと家にいるのならと思い、外出規制が始まる前に自分用に買いました。
私自身はこのオーナーのように味覚が異常に発達しているわけではなく、ワインについても全然詳しくありません。私には「おいしい」「おいしくない」と「好き」「好きじゃない」しかワインのカテゴリーがありません。
相性が悪いワインは頭が痛くなるので外出先…とくに出張先ではではかなり気をつけて、ほぼ飲まない状態です。
さらにこのワイン屋さんに言わせると、ソムリエ界でこのプジョーのワイングラスを知らないのは「潜り」だそうですが、私はそれが今ではわかる気がします。
買う前に高級なワイングラスメーカーのものと比べさせてもらいましたが、このプジョーのかわいいユニークな形のワイングラスは見た目こそ高級なメーカーの美しいワイングラスには敵いませんが、味は比較にもなりません。
プジョーのは「え、おいしくなってるよ?」と味が本当にマイルドになるのが私でもわかります。
ワイン屋さん曰く「その形とガラスが、ワインが持っている味を最大限に引き出す」のだそうです。ふむそんなものかな、と思いつつ。
そしてさらに不思議なことに、このプジョーのワイングラスで飲むと頭も痛くならない。
前述のとおり私はアルコールをほとんど飲まないので、人生で自分専用のワイングラスは今後も買うことはないと思います。
ただ、たった一つ、自分用に買ったのがこのワイングラスでよかった。正解だったと手に取るたびにかなり幸せにいつもそう思います。
日本のアマゾンさんでも取り扱いがありましたのでこっそりリンクを貼っておきます →

2022年現在、この文章を書いた2年前よりもこのワイングラスの価格が倍くらいになってます?
円安の影響でしょうか…