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私は宝石箱を持っています。自分の中で「宝石箱」と呼んでいるその箱には、本当は高価なものは入っていません。
サンプルでいただいたり買ったりした半端な材料、生産を止めたシリーズの数個だけあまった石、よくわからないけどきれいだから持っているガラスなどなど。
それ以外には、母の裁縫箱にあったボタン、きれいだけど1個ずつしかないボタンの数々、きれいなビー玉、スーパーボール、とてもよくシャボン玉ができる特別なストロー… 何度引越しても、どれだけ国境を越えても、荷物に詰める「宝石」です。
先日、その宝石箱を開けて眺めていたら、ふと目に留まったスワロフスキーの大きな青いハートのパーツと、1個だけあった水晶で、ふーっと休憩している間にペンダントを作りました。
(そうです、休憩してても何か作っているくらい、手が動いて制作を続けてしまうこともあるのです)
デザインとかないし簡単な作りだからか、自分で使うのだからと安心して、だーーーと作ったせいか、その物自体が纏っている空気も軽やかな気がします。
そうそう、そうだこれだ。「きーれーいーーー」「たっのしーーー!」と、これだけでいいんだ。これが原点。
この箱に入っている材料は私を物作りの原点に戻してくれます。
そんな意味でも、その箱は本当に私の「宝石箱」です。