🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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Lübeck – リューベック –

by Jade

リューベックはドイツで最北の、デンマークと国境を接したシュレスビッヒ‐ホルシュタイン州にある、世界で初めて街としてユネスコに世界遺産として登録された街です。

バルト海に面した港町で、古くはハンザ同盟の首都として繁栄した、まさに「中世の香りを今なお色濃く残した」と表現されるのにぴったりの街です。
私は昔、3年間リューベックに住んでいました。たった3年です。四季を3周しか廻っていないというのは、本当に短いことです。たとえばたった1年ですと「暮らす」というよりも「暮らしに慣れる」だけのお客さまのような1年だと思います。春夏秋冬を一巡してその土地に慣れ、2年目、3年目でやっと地に足がついてくるような実感でした。3年間とは、やはり短い期間です。
リューベックから毎日ハンブルグまで通い、当時は経済数学の勉強をしていました。勉強は大変でしたが、いろいろな人と知り合い、それこそ世界中から学生が来ていましたので、いろいろな国の人達と知り合いました。それが何事にも代える事のできない経験だったのだと、今になってわかります。

リューベックでは、私の借りていた部屋の大家さんのカーステンさんが亡くなっていました。当時でさえ「おばあさん」の域にいた方でしたが、先頃「カーステンさんが亡くなった」と連絡をもらった時、私はとても悲しく、涙がぼろぼろと出たものです。大家さんなどめったに会うものではありませんでしたが、たまに会うと彼女はそれは親切で、話し好きで、私の中で典型的な「ドイツの気立ての良い方」の原型でした。

たった3年でしたが、貴重な楽しい時間を過ごした大好きな場所です。住んでいる人が変わり、駅の造りや街中のお店が少々入れ代わっても、リューベックはもうあまり大きく変化することもなく、きっとこれからもゆったりと時間が流れていくのでしょう。
港では、スカンジナビアの国々やバルト三国、旧東欧の国々など、バルト海沿岸の国籍の船が、以前と同じように行きかっています。

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