もう半年前になりますが、ケルン、デュッセルドルフ、そしてボンに行きました。これらのドイツの西側に私は初めて行ったのですが、最大の目的の一つは年上の友人に会うことでした。
友人は輝かんばかりのお子様方のお母さんになられましたが、かっこいい人はやはり違うなぁと感心します。育児や家事はもちろん、きちんと遊ぶことも仕事をすることもこなします。
私がこの方が本当に素敵だなと心から思ったのが、お子様方につねに前向きであることを言葉で教え、それを実践し態度で表現されることです。まだ3歳か4歳の一番下のお嬢さんは、それを「とびちり・ちんきん」と言います。それは「ポジティブ・シンキング(前向きな考え)」のことですが、まだ小さいお嬢さんは 「とびちり・ちんきん」というのです。本当に、日本語のひらがなで言っているように聞こえます。
この言葉に、私はとても元気をもらいました。どんなポジティブな言葉よりも、心が明るくなるのです。お母さんがきっといつも「ポジティブに考えるのよ」と 言っているのでしょう、いつも明るくかっこいいお母さんが少し元気がないと、小さなお嬢さんが「ママ、とびちり・ちんきんだよ」と言うのです。とてもかわいらしく、温かいお話だなと私は密かに感激しました。
数日間のドイツ西部滞在の最後の日にはボンを案内していただき、ほうこれが旧西ドイツの首都かとそののどかさに驚きました。ベルリンとは全くちがいます。ライン河を最後に見て、また空港に向かいました。豊かな旧西ドイツもいいけれど、やっぱりベルリンも最高だわ…と思ったりしながら。
ドイツの西側はとても栄えていて、この国の懐の深さのようなものを感じます。それにもまして、友人の小さなお嬢さんの言葉に感銘を受けました。私は未だに、嫌なことがあったりすると心の中で、この魔法の言葉を思い浮かべます。