Euro2012が始まっています。控えめに言えば、ヨーロッパでは大イベントのサッカーのお祭りですので、街中に国旗が増えて誰もが少し結果を気にして、そわそわとしています。サッカーに興味がなくても「なんだなんだ、なんか行事があるのかな」と思うことでしょう。
控えめに言わず自分の周りを見渡せば、サッカーファンは仕事を休んで開催地のポーランドやウクライナに行ってしまい、ドイツにいる人もレストランやバーなどの色々なところに設置されたテレビに集まり、街中で顔に自分の国の国旗のペイントを施した人が増え、さらに熱心なファンはラッパを吹き歌をうたって応援です。
今は私は市街地に住んでいますが、うるさいなぁなどと野暮なことを思っている場合ではないのです。ヨーロッパの人は本当にサッカーが好きで、この4年に一度のイベントを楽しみにしていて、あふれ出るサッカーと母国への愛情が伝わってきます。
サッカーのお祭りに絡み、もう何ヶ月も前から始まっているのはスポンサー企業のコマーシャルのお披露目です。どの企業もこのヨーロッパの一大イベント用に力作を準備しているので、その広告をふむふむ、ああだこうだと見るのも私には楽しみの一つです。
試合はまだ予選の段階ですが、私の中ではコマーシャルのチャンピオンは迷う余地もなくすでに決まっています。
メルセデス・ベンツのA-クラスのTV用コマーシャル、これは英語版です。
初めて見たときは、うわぉと作業の手がすべて止まって見入ってしまいました。かっこいいです。エネルギッシュ、スピーディーで若さあふれる躍動感、頂点をめざす選ばれた者達、といた感じのイメージと美しい画像。
ドイツの選手達がサイボーグ0011のように見えてきます。ドイツは他の欧州の国のようなスーパースターは作りませんし、選手達がものすごく垢抜けているというわけではないところが、むしろ好感が持てるような青年達ですが(すみません)、「ドイツのナショナルチームこそがハイテク化されたサッカー選手の精鋭」のような気がしてきます。
今までの私の一番好きなコマーシャルはこれ。
アウディA4の2009年版です。世の中にはなんと美しい作品(車もすてきですが、この場合はコマーシャルです)を作る人がいるんだろうと、被ってもいない帽子を脱帽する気持ちでただただ感動しました。
名作です。かっこいいですね。
車のコマーシャルがとくに好きだというわけではないですが、ドイツで美しくかっこいいCMが車のものが多いです。国を支える産業の一柱ですし、イメージが最重要でしょうから力も入ることでしょう。
でも日本で日本車のコマーシャルは、私はあまり好きではなかったです。「ファミリー!なんちゃらー!ゴー!」みたいなノリのコマーシャルに遭遇すると、見てはいけないものを見てしまったような気持ちになり、ああやっぱりテレビなどつけるんでなかったと私は心が後ろ向きになります。日本には、一昔前には電車で京都に行きたくなるような、美しいコマーシャルがありました。
それにしても祝日の多い5月から、こんな状態のお祭りな6月、そして今年は7月にロンドンでオリンピックです。「サッカーもオリンピックも関係ありません」という人はかなーりの少数派だと思われます。今年の欧州の人たちはいったいいつ、心が平常にもどって仕事をするのでしょうか・・・
なにはともあれ、EURO2012ではやはり私はドイツを応援します。