🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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悲しいパリの事件

by Jade

パリで大きな事件がありました。
G7にも加盟する経済大国、フランスの首都での悲しい事件です。

もう10年近く前になりますが、私はパリに1年ほど住んだことがあります。1年は、1つの街を知っていると言うにはあまりにも短い期間です。四季を1つずつしか経験していないわけですから…
私がパリにいたのは世の中的に言えば「暗礁に乗り上げた」プロジェクトのためで、平たい言葉で言えば失敗したプロジェクトです、パリでのその内容も悲しいことも多くあった年でした。

パリのことを思うと、正直、私は初めからパリに興味があったわけでも好きだったわけでもありませんでした。でも滞在しているうちにパリでの生活が心地よく、世間にもれなく私もパリの街が好きになりました。
陽気で、生意気で、気取っていて、おしゃれで、おおらかで、きたなくて、でもどこかふわふわしていて…地味な一人暮らしでしたが、それが私にとってのパリでの生活のイメージです。
時間があれば何時間でも街中を歩きました。どの季節でも、どんな天気ででもです。
私は今までに色々な国、街に住みましたが、地下鉄にも乗らずあれだけたくさん街中を歩き回ったのは、今のところパリとベルリンだけです。

なぜ多くの人はパリが好きなのか?と私なりに考えたことがあります。それはきっと「パリ」という場所自体が人なつこいからではないかと思います。
「そこに住んでいる人」だけではなくて「場所」も人なつこいのです。誰も外国人でなはいような、すぐにその場の空気に受け入れられるような、誰もがパリと相思相愛になれるような、そんな場所柄だと私には思えるのです。


そのパリが泣いている。


私にはそう思えてなりません。今はパリにいない私にさえ、です。
シャルリーエブド事件よりも衝撃が私にとって別次元で大きいのは、シャルリーエブドのように再三の警告や脅しがあったわけではなく、無差別だったからかもしれません。
もしかしたら週末旅行で自分がパリに遊びに行っていたかもしれない、弟がまだパリにいたかもしれない、友達は…知り合いは…
…パリとはあまりにも身近な場所で、サッカーのフランス×ドイツ戦をテレビで観ていた私はリアルタイムで花火とは違う異質な爆発音を聞き、一昨日の事件はあまりにも悲しく衝撃的でした。

そして。
パリの事件は大きく報道されましたが、世界中には報道されない痛ましいパリと同じような事件が日々発生しています。
なぜかパリでの事件が異様に衝撃的だった私は、自分が世の中の出来事にとても無関心だったのではないかと今は思っています。
多くのニュースを、「今日のニュース」として流れ見聞していただけなような。
…自分の今までの無関心さに、今はパリと一緒に心が泣いています。

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