真珠を天然か人工か見分けるとき、とても簡単な方法があります。
とても簡単だけど実践するのはかなり難しく場合によってはとても勇気がいると、宝石学の先生も授業でおっしゃっていましたし、私もそう思いました。
けっこう有名ですが、真珠をかじってみて、その歯触りがざらざらしていたら天然産、つるつるしていたら人工という、見分け方です。
真珠や宝石、ジュエリーのお好きな方ならご存じの方も多いかと思います一般的な方法です。
それをつい数日前、実践されてしまいました。展示会にてです。
人工真珠をメインに使ったゴージャスなネックレスを、ゆっくり一人で選びたそうな感じの比較的若い男性だったので、私もそちらを横目で気にしつつ、他のジュエリーを磨いたり位置を直したりしていたのですが。
ぱくっ がりっ
私 :「(言葉が出ず目だけギョロっ え?ええ??かじってるしっ)」
今まで何カ国かで出展してきましたが、初めてのことです。
学校の先生が放った言葉でこんなに大きな音で私の中で鳴り響いて崩れたのも、今までで初めてです。最大の音量です。勇気とか関係ないっすよ普通にかじってるしっ!
授業中、素直に納得せず、どうして誰も「本当に真珠をかじられたらどうすればいいんですかね」と質問しなかったのだろうと、こんなに悔やんだのも初めてです。
「先生、自分の商品を本当にかじられちゃったらどうすればいいんですか」と今更脳内想定問答状態。
そんなことをこの緊急時に一瞬で考えていたら、かじり主も何かを察したのか、物静かに
「天然か人工かどっちかなと思って。」
「人工ですねそこに書いてある通り」と私は商品説明文が書いてある札を指し示すばかりです。
これでそうですか、ありがとう と行ってしまったらどうしてくれようと頭の中で色々ぐるぐるが止まらなかったのですが、
「それじゃこれとこれください」とかじられたネックレスも含めて2本お買い上げくださったので、事なきを得ました。
家に帰り急いで昔の宝石学の教科書を見てみましたが「真珠の見分け方」は書いてあっても「真珠を見分ける方法を実践されちゃった場合の方法」というのはやはり書いてありませんでしたね。
まぁそれを無責任だなぁと非難もできないほどの緊急事態でした。
緊急に今後の対策の検討が必要な事項の上位5本指に入る今年の出来事でした。
