少し前から寒波に見舞われたヨーロッパですが私は現在、古都と呼ばれるリューベックという北ドイツに定住しつつあります。バルト海があるお陰で、ドイツの中でもそれほど寒くはならない、そしえ夏もそれほど暑くならない、マイルドな気候の場所です。
ドイツに押し寄せる寒波にご心配くださったたくさんの方々から暖かいメールやメッセージをいただきました。暑さにも弱いですが寒さにも弱い私には、とても大きな励みになりました。どうもありがとうございました。
幸か不幸か海のある北ドイツ以北ですと、たぶんバルト海や北海のお蔭でマイナス20℃くらいになっても、体感気温は実際ほど寒くないように感じます。実際に北ドイツ人達だけでなくフィンランドやスウェーデンなどスカンジナビア半島の人達も「モスクワみたいな内陸の寒さには適わない」と話しているのをよく聞きます。たぶん体感温度というのは、実際の気温以上に重要なのだと思います。
私の体感温度センサーですと、日本の関東地方とリューベックとでは、やはり寒さの質のようなものが違うように思います。もちろん個人差があるとは思いますが、どちらかというと関東地方の「冷え込み」みたいな寒さのほうが、私には堪えるかもしれません…ドイツも寒いですけど。
さて、ミュンヘンのインホルゲンタ2012が終りました。例年ですと2月下旬に開催されるジュエリーの展示会ですが今年は2週間、早まりました。改悪したことは、フランクフルトで開催されている超有名なギフトショー、アンビエンテと日にちがぴったりと重なったこと(データを探したわけではありませんが、ア ンビエンテのほうが集客力は上かと)。良いことは、ミュンヘン市内でのセールが真っ盛りだったこと(もちろん街中でのセールの盛り上がりは展示会にはまっ たく関係ありません残念ながら)。
私は日本を出発して以来のんびりと移動しつつ引越をし、工具や材料もままならず今年のインホルゲンタには見学だけ行ってきました。勝手な感想を申し上げますと、今年はイタリアからの出展者が増えたなぁということと、デザイナーのアトリエが集まるC2のホールにも、オリジナルではない商品(どこかから安い商品を買って並べているという意味です)がだいぶ増えたなぁということです。
イタリアの方々は気持ちがわかる気がするのです。現在ですと、たぶんイタリアで自国の展示会よりもいわゆる“ユーロの優等生”ドイツで出展するほうがマシだと考えることは自然だと誰もが思います。
そしてデザイナーのアトリエが多いC2は、知り合いの出展者が去年よりもさらに減りました。たぶんインホルゲンタほど大規模でなくても、他の展示会に移った人達も多いです。知り合いに会うと、自然と別の展示会の話題となります。どこが楽しそうとか、あっちはイマイチそうだとか…ドイツは展示会が多いので、 せっかく物を作り出展するなら、楽しく色々な方とのご縁が生まれる展示会のほうがいいですのでね。
なにはともあれ、今年はなぜか展示会よりもセールの買い物が楽しいミュンヘンでした。ドイツを縦断してリューベックにもどり、お陰さまで寒さもひと段落、なんだかあったかいなぁと思ったら、気温はプラスになっていました。そして気がつけば夕方6時近くまで明るく日がのびていました。気温は低くても日差しの力が強くなってきて、もしかしてもうすぐ春なんだと、そうだ私は北ドイツの春が大好きだったなぁと、自分がまた昔々住んでいた同じ場所に戻ってきたんだと、冬を越え てやっと今更実感する次第です。