🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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リューベックについて -Lübeck-

by Jade

少し前から、私はリューベックというバルト海に港を持つ北ドイツに不時着し、定着しつつあります。より正確にいえば、気がついたらまたリューベックに戻ってきてしまったという感じです。10年以上前に数年間住んだ、よく考えれば懐かしい場所だからで す。

ハンブルグやリューベックなど北ドイツに舞い戻ってすぐに感じたことは、やはりドイツ語の言葉の響きでしょうか。ミュンヘンや黒い森地方とは違う、そしてベルリンとも やはり少し違う標準語に近く、たとえば南ドイツの人たちからは「冷たい」とさえ言われる北ドイツのドイツ語。でも、ああこれだこれ、私の耳に聞きなじんでいるドイツ語だと、ここ数ヶ月のしばらの間は妙に一人で納得し感慨深かったものです。

さらによく思い出すと、昔はかなり無感動に住んでいましたが、今見るとリューベックはなるほど、バルト海の真珠と言われるだけのことはある、きれいなところもたくさんある街です。中世にはハンザ同盟と言われる、東はロシアのノヴゴロドから西はベルギーのブリュージュ、さらに海を越えてロンドンまでつながっていた巨大な同盟の首都・リューベックだっただけのことはあります。

以前だったらバルト海の国々、色々な街を「リューベックのようにきれいなところだよ。」と話を聞いても、私は正直「へーそうなんですか」と、「リュー ベックのように」と形容されるだけで興味が2割くらい減るなと思っていた気がします。若造のころに住んでいるところは、そんなものかもしれません。今では十数年前よりだいぶ違う角度で色々なことを見れるようになりました、幸いなことです。

以前はわからなかったことでも、今になってわかったことが実はたくさんあります。ベートーベンが使っていた補聴器はリューベック製だとか(有名な補聴器制作者になる学校があります)、古ぼけていつも誰もいないようなワイン屋さんが、実は600年以上の歴史のある老舗だったとか、ヴィンセント (Vincent)と私は呼んでいた中国系の知人の名前が、本当はウィンゼン(Wingseng)だったこととか。未だに新しい発見が日々あります。

街自体ももちろん変わりました。なんでも10年ほど前から観光に力を入れているそうで -ほとんどの観光客はスカンジナビアや東欧、ロシアの方々、あとフランスの修学旅行生など- クリスマスが終わってから夏が始まる前の今のような時期は、街中は工事中の場所が多いです。
とくにフィンランドとスウェーデンへはかなり頻繁に港から船が出ているので、きっとスカンジナビア半島に住む方々の「ハワイ」のような場所を目指しているのかもしれません。半分冗談、半分本当です。もう泳いでらっしゃいますから。

リューベックのことは話し出すととりとめがない状態になってしまいます。いいところも悪いところも、話が尽きません。たぶん私はリューベックが好きなのでしょう。

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