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市内を歩いていると小さくてお洒落なお店が多く、どこをでもジュエリーやアクセサリーのお店を眺めます。行きかう人々の身につけているものにも、ふと目が いくことがあります。
そして思うのが、フランスの女性は必ずと言っていいほどアクセサリーを身につけていること、でもイギリスやドイツの人たちと違い、貴 金属はあまり身につけていないことです。
パリでよく見かけるのは、樹脂やガラスといった普通にアクセサリーとして使われるものから、ゴム?のようなもの、木片や種?のようなものや、それはなんの 素材ですかと聞きたくなるものまで、実に様々です。私もだいぶ色々な素材でアクセサリーを作ってきましたが、パリの人たちが身につけているものも、かなりいい線いってると思えるくらい、不思議で変わっています。
若い人も年配の方も、思い思いの素材のアクセサリーを絶妙な色とバランスで使い、お洒落です。私にパリ行きを勧めてくださった方もたしかにそんなように言っていましたが、実際に住んで納得、実感しています。
ドイツの貴金属ジュエリーにあるような、洗練されているものにある独特の気高さや芸術的な威圧感はパリのアクセサリーにはありませんが、素朴でなんとも人間的な愛嬌は、なぜか人を惹きつけるものがあります。
そうかこの土壌でココ・シャネルのコスチューム・ジュエリー(フェイク・ジュエリー)が生まれたのか…などとかすかに思いながらも、今はまだ景色を眺めるのも楽しい段階です。