今日はドイツ総選挙の日。この表現が適しているかわかりませんが、私は今の首相のメルケルさんのファンです。
ドイツで「アンジー」といえば、もちろん「アンジェリーナジョリー」ではなくて、メルケルさん。一昨日アメリカでG20のサミットに参加していたと思った ら、昨日はもうベルリンで演説しているメルケルさん。ロシア語が堪能なメルケルさんは、数年前当時ロシア大統領プーチンさんと会った際に、彼が横を向いて 頭をぽりぽり掻いてしまうほど、理路整然と言葉をならべ自国を守っています。多くのドイツに住む人たちにとって心強いことだと思います。
去年はアメリカ合衆国の選挙戦の際、メルケルさんはヒラリーさんとよく比較されていました。スタイリッシュで知的な雰囲気を漂わせるヒラリーさんの隣に写真が並べられ、ジュエリーの雑誌ではCGで豪華なジュエリーをとっかえひっかえ身につけたメルケルさんの画像を並べ、「我らの首相を美しく」と提案する特集もありました。
でもメルケルさんがインタビューで「私は自分を美しく飾り立てる必要がないことを知っている。おばちゃん路線で充分」と答えられているのを聞きました。なんだか割り切っていた気持ちの良い話です。メルケルさんは必ずといっていいほどネックレスを身につけていらっしゃいますが、おしゃれなものから手芸屋さん のスパンコールでできたようなものまで(ごめんなさい)、ご自分の好きなものを身につけていらっしゃることがうかがえます。
政治的なことや政策についてとやかくいうわけではありませんが、自分たちが投票して選んだはずの「今ある政権」への批判が許されるのは、洋の東西に関わらず自由と平和のある国だという証拠のようなものです。ドイツの人達もメルケルさんへの批判やあら捜しは食事のおかずのようなもの、どこでも聞く話です。
それでも「EUの近隣諸国の物価の上昇に比べたらドイツの物価は比較的安定していて安いんだから、それだけでも感謝しないとね。」と私はアンチ・メルケルさん派の人たちに余計なことも言います。物価の比較を挙げたらキリがありませんが、物価高で有名だったスイスでの買い物が安く思えるほど、周りの国々の物価が高くなっていることを思うと、ドイツは食料品も日常品も価格をがんばってよく抑えてあります。
そんな話をすると、理屈をこねるのが好きなドイツの人たちも黙ります。物価の比較の話題なら今のところ全戦全勝です(別に戦っているわけではないですが)。スーパーの物価だけではありません、電気が当たり前にある生活、蛇口をひねれば水が出る生活を、行政に感謝すべきなのですけど。と思ったり。
でも本当は私はえらそうなことは言えません。先に開催された選挙に行かなかったのですから。威張って物を言ってしまったドイツの人達、心の中でごめんなさい。選挙には、やっぱり行くほうがいいですから。