🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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ベルリンの青い涙と希望の道しるべ

by Jade

12月も下旬になりました。10月からものすごい勢いで移動をくりかえし、少しゆっくりしようかと思いつつも世間に合わせ否応無しに私もクリスマスの流れにのっています。

ベルリンの事件

数日前にはベルリンのクリスマスマーケットで悲しい出来事が発生しました。たくさんの方々が亡くなった事件です。賑わうクリスマス・マーケットにトラックが衝突しました。

何年も前になりますが、私はベルリンの、事件があったカイザー・ヴィルヘルム記念教会がある区に住んだことがあります。
そして、ほんの数週間前にも私はベルリンに行きその事件があったクリスマス・マーケットと同じ場所にいて、もし日にちが違っていたら被害に遭ったのは自分だったかもしれないと思うと、本当に他人事ではありません。

カイザー・ヴィルヘルム記念教会の青い窓

カイザー・ヴィルヘルム記念教会の新しい方は青い窓だけでできています。
ガラスでできたモダンな設計には賛否両論あるようですが、私は青色が大好きで、この教会も八角形でとても美しく好きです。中からみるとどの壁面も色々な「青」があり、時間帯によっても光の差し込み具合でも、青の表情が違います。
ベルリンが辿った歴史に思いを馳せたり、自分の心の状態だったり。その青い光は厳かにも軽やかにも、また悲しげにも希望に満ちているようにも、私にはあらゆる感情や歴史を含めた不思議な青い光に見えます。
たいてい観光の人達で混雑していますが。私は自分の中でひたすら大好きな青色を楽しむのが好きです。

それでも現場のクリスマス・マーケットに行く人々

とても衝撃的な悲しい出来事なので、テレビでもつけてニュースを見てみると、再開したクリスマス・マーケットで「どんな気持ちでマーケットに来ましたか」とか「不安はありませんか」などなど、私には愚問にも思えるような盛り下げるインタビューをレポーターの人達は街頭で繰り返しています。

が、私は秀逸な返答をする女性達を見て、とても嬉しくなりました。
「だから来たのよ!」
「心配で誰も来なくなったらこのクリスマス・マーケットの人達どうすんの」
「私達はね、こんなことじゃ負けないの」
(注:もしかしたらグリューワインを飲み過ぎていたのかもしれませんが)

…そうそうこれこれ、強くてたくましい女性達。何を言っても少々のことではへこたれないヨーロッパの女性達の典型。
戦後の焼け野原だったドイツ、ヨーロッパを復興し豊かさ取り戻したのは、残された女性達だったのです。
街頭インタビューに、私はその女性達の強さを見た気がしました。。私がニュースを見た限り、なぜか前向きな返答をするのは年配の女性なのでした。

最大の癒やし・日常のまま

こういった女性達が一致団結して現場のクリスマス・マーケットに行き、おいしいソーセージやグリューワイン、お菓子を食べ、そして被害に遭われた方々のためにろうそくを灯し…
マーケットに出店している人達にとっても、こういった方々の存在はとてもありがたく嬉しいものなのではないかなと、私は愚考します。そして、お店を出している人たちの売上に貢献する。普通でいることで安心感のようなもの。
ちょっと分野は違いますが、私も展示会やイベントに出展する側ですから、予想外の惨事にあったマーケットにお店を出している方々の気持ちも痛いほどわかります。

ヨーロッパの女性の強さ。したたかさ。優しさ。

明るく強いドイツの女性達…この方々が悲しくないわけはないと思います。
普段の生活で遭遇すると「オイオイ少しはへこたれてくださいな」とも思うことも多い強いヨーロッパの女性達の典型。
でも、私はこういったヨーロッパの女性達の強さは結構好きです。
この大らかさ、強さに、明るい未来を見る気がするのです。そしてこのような事件の後でも現場に赴いて売上に貢献する心遣い。
少なくとも、心配しつつテレビを見ていた私はこのインタビューで心が明るくなり、
「そうだよねおばちゃん!明るい言葉をありがとうーー!よい年末年始をねーー!」
と心の中で感謝し、少し明るくテレビの電源を切ることができました。

今日、ベルリンのクリスマス・マーケットの事件はあっけなく幕を閉じました。
被害に遭われた方々には、心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、世界中の人々へ、そしてこの日記を読んでくださる皆さまへ、どうぞよい年末年始をお過ごしください。
来年がいままでよりもさらに明るい世界になることを。ベルリンの記念教会のような青い希望の光とともに皆さまへ。
今年もありがとうございました。

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