🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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【ドイツの総選挙2025】社会の分断の深刻化と政治的な意見の自由【たまにはまじめに民主主義を考える】

by Jade

昨日、2025年2月23日には、ドイツで新しい首相が決まる大きな選挙がありました。ドイツ再統一以来、最高の投票率と、ドイツ国内でも関心の高さが伺えます。あまり政治的なことをツラツラと綴るブログではないのですが、気になったことを備忘録として残しておきます。

世界一簡易・ドイツの今回の選挙までの流れ

今回の選挙までの流れを、世界一ざっくり記します。
2024年11月の第1月曜日、米国大統領選挙でトランプさんが当選した日と同日、ドイツでは三党の連立政権が分解しました。首相のショルツさん率いる最大与党のSPD (赤がシンボル🟥)
同盟90/緑の党 (通称は緑の党) Die Grüne (緑🟩)
自由民主党 FDP(黄色🟨)
の連立なので、信号機政権と呼ばれています。

この信号機政権、とにかく与党に慣れておらず(16年間ドイツを引っ張ってきたメルケルさんの政党はCDU◼️です)、ウクライナで戦争はあるわ、戦争反対を掲げてるはずの緑の党🟩はウクライナに武器もお金もじゃんじゃん送るわ、環境問題に取り組むあまり物価やエネルギー代は高騰するわドイツ経済そのものが傾くわ、治安も不法移民の問題も放置してしまうわで、諸々で、簡単にいえば失策が続き人気がなかったのです。

そこで “偶然” にも米国大統領選挙の日、つまり2024年11月5日、そのころドイツではある意味スケープゴートのように自由民主党🟨が失策の責任の対象とみなされ、普段おとなしいショルツさん🟥から激しい口調で批判、弾圧されました。
自由民主党党首のリンドナーさん🟨は、財務大臣です。このリンドナーさんの自由民主党、連立政権から離れてしまいました。
ということは、議席を確保できず、三党の連立政権が成り立ちません。
信号機政権は分解し、昨日の選挙に至っています。

台風の目 「ドイツのための選択肢 AfD🟦」

注目度がとても高かったのは極右政党「ドイツのための選択肢 AfD🟦」でしょう、Xのイーロン・マスクが彼のソーシャルメディア X で AfDの党首のアリス・ヴァイデルさんと対談したことが話題となっていたので、ご存知の方も多いかと思います。イーロンは今でもAfD推しのポストが多いです。

最初に書いておきますが、私はAfD支持者ではありません。
ただ、このAfDのアリス・ヴァイデルさん🟦に関しては、既存メディアでの扱い、不平等性や端から相手にしないような失礼な態度、などなど、他の政党の党首や政治家政治屋とは明らかに違う態度に、疑問を持っています。

極右政党のアリス・ヴァイデルさん🟦、ドイツでも勘違いされている人がとても多いのですが、「外国人出ていけ」とも「LGBT反対」とも言っていません。私が知る限り、この方は経済を勉強し、中国へ留学、そして就職して(確かゴールドマン・サックス系です)中国マンダリン語が流暢です。
そして、彼女のパートナーは女性で、スリランカ出身のシンハラ系スイス人の方です。つまりヴァイデルさん自身が同性愛者です。そういう政治家の人たちはヨーロッパにはたくさんいらっしゃいますし、そんな個人的なことよりもちゃんと政治をしてくれればいいんです。

いろいろな知識をゼロにして考えても、前副首相で経済大臣だったの緑の党🟩のハーベックさんが哲学を勉強し、児童文学を執筆を生業とされていることを考えても、アリス・ヴァイデルさん🟦のほうが経済の話には強く、ハーベックさん🟩はヴァイデルさん🟦とのTVでのトークを避けていました。
そう、ドイツでは哲学者で児童文学を執筆される緑の党🟩の方が、経済大臣だったのです。
すばらしい職業だと思いますが、経済大臣に最適かというと、そうでもないような気がします。おそらく、ドイツの自動車産業などの主要工業産業に携わる方々も、同じように考えられているのではないかと思います。多くの企業がドイツ国外への脱出を検討、あるいは実行されています。

そしてヴァイデルさん🟦、「外国人はドイツから出ていけ」と外国人排除的な言葉は、実際には一言も言っていません。彼女の党のイメージで、独り歩きしています。
実際にはAfDも「不法滞在の外国人の規制」を公約にしていて、「外国人皆さん排除」とは言っていません。
ヴァイデルさんがいつも言っているのは「ドイツで学びたい人たち、職業資格があってドイツで働いて税金を収める人たちは大歓迎。仕事を見つけようとせず、ドイツの治安を脅かす外国人には厳しく対処するべき」と毎回毎回、言っています。

ただ既存のメディア、テレビですけど、ヴァイデルさん🟦が政治討論の番組で話始めると、司会者も他の政治家も、彼女に最後までしゃべらせないんです。いつもいつも、どのチャンネルでも、です。ヴァイデルさんが話し始めると、とたんに複数の人たちが同時にしゃべりだすカオスです。
司会者も彼女の話を遮るのですから、彼女が意見を言い終えるチャンスは皆無です。なので、逆にソーシャルメディアを活用するしかなかったのだと思います。
ヴァイデルさんが主張しているのは、あくまでも政治的な意見、です。

なぜ人が話しているときに遮って意見を言わせないのか?こういう人たちは幼稚園に行かなかったのかと思ってしまいますね。ヴァイデルさんの忍耐力値はかなり高いといえます。
政治の討論番組などといっても、つまりトークショー、といってもその程度のエンターテイメントということなのでしょう。

そして選挙の翌日の今日 →

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