もう何年も前、5年も6年も、もしかしたらもっと前に作ったシルバーの指輪のシリーズがあります。
さらにその前、ジュエリーデザインの専門学校に通っていたときから、気が向くとぽつぽつと作っていた、多分友人が見たら「いかにも私が作りそうな」と言われそうな形だと、自分でも思います。
個展やドイツの展示会で展示していましたが、それがひょんな気まぐれから先週開催されたIFFに持って行き、他のジュエリーやアクセサリーたちと並べました。
IFFの会場にはたくさんの方々がいらっしゃり、アカルタマのブースにも本当にたくさん方にお越し頂き、お話をさせて頂き、色々な感想をお聞きできることが、私にとって合同展示会に出展する大きな意味があり、ときには「自分のデザインを考える」ことを大いに助けてくれることがあります。
ちょっと自分分析をしてみますと、私は2004年に香港のジュエリーフェアへ見学に行きましたが、多分、そこで私は自分で思っている以上に衝撃を受けたのだと思います。人のエネルギッシュなパワー、会場の広さと商品の数、その値段… それまで見ていた東京やドイツの展示会などお上品でお話にならないような、あの香港のフェアで見た商品と売買する人々のパワーに、自分の中で芽生えるか、芽生える前かのアイデアの要素を根こそぎ一蹴されたのでしょう、結局一日しか会場に行かなかったことを覚えています。
それが、今回のIFFで何かが変わりました。それを実感できたのは会場に足を運んでくださった三浦みどりさんの日記のお陰です。三浦さんの日記はこちら
ヨーロッパの不思議なご縁で知りあえた三浦さん。うわぁなんでこんなに良いことを書いて下さるんだろうと、本当に涙がでそうになるくらい嬉しく、はたと「自分はこれでいいんだ」という気持ちになり、どれだけ救われた心地になったことか。
香港のフェアを見たあとは、それまで制作に使っていた貴金属や石だけでなく、あえて違う素材を選んで試作、制作をしてきました。自分には何ができるか、ほかに色々な素材でもっと違うものができるのではと、ガラスや樹脂、合金などはもちろん、クリップや輪ゴム、消しゴムなどの文房具から、うずらの卵の殻(これはかなりおもしろいものができました。)、布、木の葉、木の実、包装紙、お菓子類、などなど、もちろん商品にはなりませんが、その他の素材でも試行錯誤で色々な素材でアクセサリーを作ってみました。
そのお陰で、特許庁で実用新案で登録する自信作ができたりしたので、私にとっては不可欠な研究だったことは、間違いありません。
私には誰の真似もできませんし、自分の嫌いなものは作れません。初心に戻り、昔から好きだった形や自分らしい形を展開させ、発展させて、どこに行っても自分のデザインを探していこうと、昔作った大好きなシルバーの指輪たちを、新鮮に思いながらあらためて見ています。
今回のIFFは大きく心が進展したような、それともやっと元の位置に戻ってきたような、これからが始まりと出発点にやっと立つことのできた展示会となりました。
文末になりましたが、会場にお越しいただいた皆様、どうもありがとうございました。
これからも地に足をつけ、精一杯精進してまいります。