🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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Malta マルタ

by Jade

学生の頃、2月の試験が終わりぽっかりと1週間ほど時間ができたとき、ふと格安旅行の広告を見ました。色々な場所が美しい写真とともに掲載されていました。その中でもひときわ安く、時期的にも私の休みと重なるちょうどよいものを見つけました。それがマルタした。

どうしても行きたい場所というよりは、その時見た広告で一番安く暖かそうだから、という理由でしたが、マルタに行くことにしました。

「ヤルタからマルタまで」という言葉を聞いたのは世界史の授業だったのでしょうか、記憶も定かではありませんがウィキペディアには出ていました。東西冷戦が幕を閉じた場所に間違いありません。間違えてクリミア半島のヤルタに行ってしまうことも、私ならやりかねません。当時もそう思いました。地図で確認し、大丈夫、自分は地中海に行くのだと理解しました。

当時はあまり色々と深く考えることもなく「わーい旅行だー」くらいしか思っていませんでしたが、小さな島国のマルタとはいえホテルはかなり首都から離れた海の近くでした。泳げる季節ならまだ良いのですが、時期は2月。地中海とはいえ水が冷たくて泳ぐどころではありません。

でもそのお陰でバスに乗りついで色々と見て回るうちに、かなりバスを使いこなせるようになりました。宿からバスで20分ほどのところにある首都のバレッタは、私にとってはとても異国情緒あふれる場所に見えとても気に入りました。実際今思い出してもかなり興味深く良い場所だと思います。

マルタは地理的な理由から、紀元前から他民族の支配を受けては独自の文化と融合し、ヨーロッパではありますがどこかアラビア的だったり、アフリカのようでもあったりします。近代史の最後にはイギリスの統治下にあったため、公用語はマルタ語と英語、そして地理的に近いイタリア語もとてもよく話されています。

海水は冷たくても冬のマルタはとても暖かく、空は青いし地中海も青。私は詩を書きませんが、もし詩が書けたらきっとたくさんの詩を書いたことと思います。楽器も歌も奏でませんが、きっと音楽ができたらたくさんの音楽を作ったと思います。そう思うほど感動的な青でした。

マルタ島のとなりにあるゴゾ島もさらに田舎色が強く、その空気のせいか海もさらに青く見えたいへん魅力的でした。南ヨーロッパの田舎、最高にすばらしい。


その青にベージュ色の建物はとてもよく似合います。昔繁栄した面影を残しつつ、人々は市場で買ったものをロバでひいて家に持ち帰り、手作りのパンを路上で売り、漁師さん達は朗らかに魚を売り…人々の生活は今も昔も変わらないのではないかとさえ思えます。


もしもタイムマシーンがあったら、今のデジカメを持って当時の自分に届けてあげたい場所の1番候補が、私の中ではマルタです。

そんなマルタも、今ではEUの一員です。小国の島国マルタはEUの中でも優等生というわけではありません。それでもきっと島の大部分の人達は昔と変わらない生活を、きちんと毎日続けているのかなと想像します。

学生の頃は、色々と見ているようでも今とは見る視点が違います。いつかまた機会があったら、大好きな地中海の島マルタへまたぜひ行きたいと切に思います。

写真は首都のバレッタです。ウィキペディアからお借りしました。

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