彫金を始めた頃から、密かに思い描いていた夢があります。
いつかどこかで、ふとすれ違った人が偶然自分の作ったものを身に着けていたら、と…。
渋谷での催事の際、アカルタマのネックレスを着けた方にお会いしました。アンティークのカタツムリと水晶のネックレスです。
これはヨーロッパのアンティークで、入手するのがとても困難なカタツムリです。今年もなんとかやっとのことで数個だけ入手できましたが、すぐに幸せに旅立っていき完売、また雑誌に掲載していただいたのもこのカタツムリを使ったものでした。
その方をお見かけしたとき、大変失礼なことに私は催事のご案内をお送りした方だと勝手に思い、つい話しかけてしまいました。でもその方にご案内はお送りしていなかった…。そしてその方も、渋谷には年に1度か2度、来るか来ないかだとお話ししてくださいました。
嬉しくて嬉しくて、何重にも嬉しいのです。その方がアカルタマのネックレスを気に入ってくださったこと。そしてご購入くださったこと。その後も身につけてくださること。渋谷で偶然お会いできたこと。そして他のブランドの出展者の人達がみても、アカルタマのネックレスだとすぐにわかること。
カタツムリがなかなか手に入らないですし、自分作っていればいつ、どのように作ったか忘れるものではありませんが、自分の作ったものは誰がみてもアカルタマのものとわかるんだということが、わかった瞬間です。
ありがとうございます、ありがとうございます、ありがとう、ありがとう、と感謝の気持ち以外、沸き起こりません。
私にとっては、こんな風に夢が一つ実現した2008年となりました。
皆さまのお陰なくしては、何もかも実現することはできません。
今年も皆さまには大変お世話になり、ありがとうございました。パリにいても、日本にいても、自分の作るものや生活の仕方が変わるわけではありませんので、どこにいても、来年も精一杯考え、進化して参ります。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
