🇩🇪 多彩で多色、カオスで雑多なドイツの日常から時事のテーマも気ままに綴る身の丈自由帳 🇪🇺

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ドイツで神道・古神道について綴ってみる【ゆるゆると宗教学の窓際から】

by Jade

夏が終わって今セメスターから専門が枝分かれし、やっと東アジアの宗教学に集中できると楽しみに始まりましたが、あっという間に学期末です。あと1ヶ月後には怒涛の如く試験期間が始まります。その勉強の合間にはエッセイの提出が重なります…。

宗教学の多くの文献や書物は英語

試験期間とはいっても、筆記試験よりもたいへんなのはエッセイです。宗教学は内容の性質上、たくさんの本を読まなくてはなりません。ヨーロッパの宗教学の場合、言葉をこねくり回すのが大好きな人たちが多いです。それはそれでいいのですが、宗教学の書物は、圧倒的な割合で英語が多いです。宗教学自体が新しい学問で、19世紀にインドについて研究したドイツのフリードリッヒ・マックス・ミューラーさんという方(後にイギリスに帰化)が「宗教学」という言葉を初めて使ったのが最初だといわれています。

その後はいろいろな学者さんたちが宗教について定義をしてみたり(未だに宗教の定義は確定していません)、宗教の社会的なシステムとしての役割を考察してみたりと、哲学や心理学、あるいは社会学的な視点から思考と言葉を絞り出して研究していることが多い科目です。そして宗教学の研究の中心地はヨーロッパ大陸からイギリス、米国に移り宗教学的な先進国となり、とくに新しい研究は英語の書物が多くなっている要因だと思います。

日本についてのステレオタイプ

多くのヨーロッパの人々にとって、東アジア、あるいは日本の宗教といえば、自動的に仏教をイメージすることは、ある意味間違ってはいませんが、それはとてもステレオタイプで決して広い見識とは言えないことは否めません。とくに日本には古来から神話を中心とした「神道」というものが存在しています。仏教ももちろん日本に渡ってきてから長くある宗教ですし、「仏教 “も” 日本にはある」とはいえますが、「日本古来の」とは言えないように思います。

それも当然といえば当然で、ドイツ語ですと仏教などに比べて神道に関する文献は極めて少ないです。研究者もとても少ないですし、ドイツだけではなく近隣のオーストリアやスイスも含め、ドイツ語圏で神道の研究をされていた方々は、ここ数年でみなさん退職されてしまいました。私はドイツで神道の研究を続けた場合、いったいどこの教授に習えばよいのでしょうか、すでにそんな心配も脳内をよぎります。

そして実際に仏教を研究されている方々は、とても多くいらっしゃいます。インド・地ペット学や中国や韓国学、もちろん日本学でも、仏教の研究者や教授はどこの大学でもいらっしゃいます。

神話、天皇家、そして神道

でも私は神道の研究を続けたいのです。それもできれば仏教伝来前の神道、古神道です。さらに夢を膨らませば、天皇家の祭祀、伝統的なものから日々の祭祀、大嘗祭や新嘗祭などの大きなものまで、ドイツで勉強してドイツ語で発表したいのです。
と、そんな夢を膨らませていますが、もしかしたら強ち遠い夢のまた夢でもないような気もします。

なぜかといいいますと、先日の古神道についてのプレゼンーションが、とても好評だったのです(←自分でも驚いています、とても基本的なことばかりだったので…)。

このように神道の教授が極端な人材不足のドイツですが、講義はzoomで行われるお陰もあり、今の東アジアの宗教の先生はベルリンの大学の教授です。他の学生たちからの質問や反響はもちろん(いやいやいいよそんなにたくさん質問してくれなくてと思うほど)、このベルリンの大学の先生までもが「ありがとう、ありがとう」とおっしゃってくださり、さらにメールでまでお礼を言ってくださり、え、いいんすか、たしかにかなりがんばって作ったのですが、私のプレゼンはあれでよかったんですかと心配になるような、私は勘違いをしてしまうのではないかと自分が心配になりました。本当に「こちらこそ聞いてくださりありがとうございます」という気持ちでいっぱいです。

まずは勉強を続けること

なにはともあれ、勉強を続けなくては道は開けません。英語は読みたくないとか、めんどくさいとか、言っている場合でもありません。学期末の試験やエッセイの提出期限はもうすぐそこまで迫っています。年が明けたら本当にもう時間がありません。仕事をしながら片手間に勉強をするつもりも毛頭なく、きちんと勉強し、できればこのまま勉強は続けたく思っています。

そろそろまじめに試験勉強を始めなくては…と、なんだかんだといいながらも学生を満喫している2021年の冬至前の夕刻です。

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